スパイスってなんだろう? 知ると料理がもっと楽しくなる「香りの世界」と基本のき

What is spaice? コラム/ニュース

みなさん、スパイスってどんなイメージですか?
「スパイス」と聞くと、激辛料理や専門店の本格カレーを思い浮かべる方が多いかもしれません。「使いこなすのが難しそう」「買っても棚の奥で余らせてしまいそう」と敷居の高さを感じている方もいるのではないでしょうか。

しかし、普段ステーキにかけるコショウや、スイーツに使われるシナモン、バニラもすべてスパイスの仲間で、身近なところでもよく使われています。辛さをつけるものだけでなく、甘い香りを漂わせたり、料理を鮮やかに彩ったりするものも含まれます。

今回は、「スパイスってそもそも何?」という疑問から、世界史を動かしたドラマチックな歴史、知っておきたい種類の数、そして明日からすぐ試せる使い方までをわかりやすく紐解きます。

スパイスとは?ハーブとの違いとは?

スパイス(香辛料)とは、植物の一部を乾燥させ、料理に特有の香り、辛味、色などを加えるために使う調味料の総称です。
日常的によく混同される「ハーブ」との最大の違いは、利用する植物の部位にあります。

ハーブ:主に植物の「葉」や「柔らかい茎」を利用するもの(バジル、ローズマリー、パセリ、ミントなど)。
スパイス:植物の「種子」「果実」「根」「樹皮」「つぼみ」など、葉以外の部位を利用するもの(コショウ、クミン、ターメリック、シナモンなど)。

同じ植物から採れる部位によって呼び名が変わるケースもあります。例えば「コリアンダー」は、フレッシュな生の葉はハーブの「パクチー」、乾燥させた種子はスパイスの「コリアンダーシード」として親しまれています。
そういう意味では広義な意味ではハーブもスパイスと言えるかもしれません。

世界史を動かしたスパイス:起源と大航海時代

人類とスパイスの付き合いは非常に古く、起源は約5万年以上前の旧石器時代にまで遡ると言われています。当時は調味料というよりも、狩猟した肉を植物の葉や種で包んだ際に「肉が腐りにくくなり、獣の嫌な臭いが消える」という生活の知恵から利用が始まりました。
古代エジプトではミイラの防腐処理や儀礼に欠かせないものとなり、古代ローマではコショウが「金(ゴールド)と同等の価値」で取引されるほどの富と権力の象徴となりました。

さらに中世ヨーロッパでは、スパイスを巡って世界史が大きく動きます。当時、肉の保存や風味づけに不可欠だったスパイスの交易ルートは、オスマン帝国などの勢力に握られており、価格は天文学的な高値となっていました。

「自国の手で、海を渡って直接アジアへ買い付けに行こう」という熱狂が、コロンブスの新大陸到達やバスコ・ダ・ガマのインド航路開拓につながったとも言えます。現代の世界地図が描かれるきっかけとなった大航海時代は、まさにスパイスへの強い欲望から幕を開けたのです。

世界には何種類ある? 実は普段使いなら数種類でOK

そんなスパイスですが、どのぐらいの種類があるのかご存じですか?
世界中に存在するスパイスの数は、基準によって異なりますが、大よその目安としては以下となります。
国際規格(ISO):約100種類
世界全体(食用・薬用):約350?500種類以上

この数字だけを見ると「覚えるのが大変そう」と感じるかもしれませんが、プロの料理人でも日常的に使うのは10?20種類程度です。家庭料理に取り入れるなら、まずは3?4種類を知っておくだけで十分に料理の幅が広がります。

そんなスパイスの料理における役割は、大きく分けて次の4つです。
着香(香りづけ):素材の生臭さを抑え、食欲をそそる香りを立てる(クミン、ナツメグ)
辛味づけ:心地よい刺激を与え、味全体を引き締める(ブラックペッパー、唐辛子)
着色(色づけ):料理に温かみや鮮やかな色合いを与える(ターメリック、パプリカ)
保存・消化促進:抗菌作用で鮮度を保ち、胃腸の働きを助ける(クローブ、ショウガ)

初心者がまず揃えたい「基本の3大スパイス」

家庭で手軽にスパイスを楽しみたいなら、スーパーで手に入る小瓶のパウダー(粉末)タイプから始めるのがおすすめです。特に以下の3つがあれば、市販のルーを使わない基本のスパイスカレーや、香り高いエスニック炒めが完成します。

クミン:カレーの「あの香り」の正体。野菜炒めやスープにひと振りするだけで、一気にプロの味に近づきます。
ターメリック(ウコン):料理を鮮やかな黄色に染めます。お米と一緒に炊飯器に入れて炊くだけで、本格的なターメリックライスが作れます。
コリアンダー:ほのかに柑橘を思わせる爽やかな香りが特徴で、スパイス同士の個性をやさしくまとめる名脇役です。

使い方の基本は、「親指と人差し指でひとつまみ(約0.5g)」から。塩コショウを使うような感覚で、いつもの肉野菜炒めやスープの仕上げにクミンをひと振りしてみてください。いつもの食卓に、異国の心地よい香りがふわりと広がります。

いかがでしたでしょうか?
スパイスにはとても古い時代から様々な用途で使用されていて、その存在が歴史を動かしたという側面もあるものです。
そんな太古より使用されてきたスパイスには人の知恵や工夫の証とも言えるものです。

是非みなさんも、そんな昔にも思いはせながら身近で日常的にもとても役立つスパイスを使って美味しい料理を作ってみませんか?

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